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Welcome to Kamikatsu Zero Waste Center WHY上勝町ゼロ・ウェイストセンターWHYへようこそ

WHYに込めた想い

徳島の市街地から車で約1時間。勝浦川上流にある、人口1400人ほどが暮らす山あいの静かなまち、上勝町。豊かなみどりの中に外壁の赤色が調和するように佇む施設が、2020年5月にオープンした「上勝町ゼロ・ウェイストセンターWHY」です。この建物は町民から譲り受けた建具や廃材を組み合わせてつくり上げ、上空から見ると、施設全体がクエスチョンマーク (?) の形をしているのが特徴です。

ごみを生み出さないために
どうすればいいのかを
問いかける

ごみが出てしまう仕組み自体を変えるために、ゼロ・ウェイストの発信拠点として、ここに滞在する人たちが交流し、想いや知恵を学びあい、私たちのいまの暮らしや意識を見つめ直すことができる場所でありたい。そして、挑戦することで新たな事業がはじまり、地域の活性化が進んで、未来の子どもたちへと受け継いでいく。そんなサイクルを世界に広げていける施設を目指しています。

FLOOR MAP

  • ゴミステーション

    まちで唯一のごみ収集場で、町民みずからごみを持ち込み、13種類・43分別に分けています。80%を超えるリサイクル率が守られているのは、子どもからお年寄りまで、上勝町に住むすべての人々が協力して毎日欠かさず分別する習慣が根づいているからこそ。

  • くるくるショップ

    町民が不要になったものを持ち込めて、次に必要とする人へとつなぐリユースショップ。気に入ったものがあれば、誰でも自由に持ち帰ることができます。持ち帰るときは重さを量ってノートに記入し、ものが地域内で循環することの大切さを体感できるように。

  • ラーニングセンター&交流ホール

    町内外から訪れた人たちが憩うラウンジとして使えるコミュニティースペース。本棚には自然や環境問題をテーマに選書された本が並び、自由に手に取れるように。小さなお子さまが遊べるキッズスペースも。また、企業研修のためのホールとしても利用できます。

  • ラボラトリー

    ゼロ・ウェイストの取り組みやサーキュラーエコノミーの理念に共感した企業や研究機関が利用できるサテライトオフィスとして、また、大人数でのセミナーや会議の場として利用できます。壁には、野菜の収穫かごがアップサイクルされた本棚を配置しています。

  • HOTEL WHY

    WHY内にあるゼロ・ウェイスト体験型ホテル。スタッフによる施設案内ツアーに参加し、滞在中に自分が出したごみの分別体験ができます。木のぬくもりを感じる部屋でくつろぎながら、上勝での暮らしを体感し、ものを選ぶ・買うことから見つめ直すきっかけに。

ABOUT ARCHITECTURE 建築設計:中村拓志 & NAP建築設計事務所

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建築家 中村拓志氏による建築

敷地は、ごみや土木残土で埋立をした土地である。そこで建物は地盤の良い山側によせて建てる事とし、見通しの悪い迂曲した車道を避けて車の出入り口を配置した。
出入り口を見通せる敷地中央に事務所とコンシェルジュ機能のあるリユースショップを設け、その両サイドに、町民とごみ関係者が主に使用する分別エリアと、町外の人も訪れるコミュニティ施設や駐車場エリアを配置した。また、最も地盤が安定している地山の上に体験型ホテルを分棟で配置した。
馬蹄状のプランは「分別→保管→再生・販売」といったサイクルとリユースの過程をシームレスに連続させたもので、大庇が囲む円形の町民分別広場はストックヤードを一望できるドライブスルー型の空間となっており、43分別の検索性向上と移動距離の最適化を図った。午後はリサイクル回収のためのフォークリフトやトラックが行き来する場所となるため、観光視察の外来導線は建築外周部とし、歩車分離やごみを出す町民のプライバシーに配慮した。ごみ出し導線の先にはリユースショップやコミュニティホール、絶景の芝生広場へと繋がる出会いのホールがあり、そこで町民同士や外来者との交流が生まれることを意図した。

上勝町ゼロ・ウェイストセンターWHYの受賞歴

  • 2021年日本建築学会賞(作品)
  • 2021年日本建築家協会環境建築賞
  • Dezeen Awards 2021 sustainable building of the year
  • 総務省 令和3年度ふるさとづくり大賞 最優秀賞(内閣総理大臣賞)(徳島県上勝町)
  • KUKAN OF THE YEAR 2022
  • 日本空間デザイン賞 サステナブル空間賞 2022

中村 拓志

1974年 東京生まれ。鎌倉と金沢で少年時代を過ごす。
1999年 明治大学大学院理工学研究科建築学専攻博士前期過程修了。同年隈研吾建築都市設計事務所入所。
2002年NAP建築設計事務所を設立し、現在に至る。
地域の風土や産業、敷地の地形や自然、そこで活動する人々のふるまいや気持ちに寄り添う設計を信条としている。